あの横長の「エックス線写真」ってなに?
最近のスマホの写真撮影機能には、写真や動画等の他に「パノラマ撮影」というのがありますね。
スマホを連続的に動かしながら撮影すると、継ぎ目のわからない横に長〜い写真が合成されて出来るわけです。
このような写真は、私たち歯科界では、昭和40年代からエックス線撮影に応用されています。
確かに、ウチの父の診療室にも、私が小さい頃からありました。
当クリニックでも、1988年の開業当初から機械を導入し、積極的に活用しております。
今回は、そのパノラマエックス線写真(以下、パノラマ)について、読者の皆様に解説いたします。
参考にした資料は、主に日本歯科医師会のウェブサイトの、「歯と口のことなら何でもわかるテーマパーク8020」( www.jda.or.jp/park/index.html)になります。
歯科では、一般的に、顎全体を写すものとしては、横長の大きなパノラマフィルム、小さな(3㎝×4㎝程度の)歯科用フィルムが多用されます。
そのうち、パノラマ(写真1)は魚拓のようなもので、顎の端から端までの、歯と顎の骨の情報を写し取り、15㎝(高さ)×30㎝(幅)のフィルムに収めるのです。そのパノラマで、私たちは上あご(上顎/じょうがく)と下あご(下顎/かがく)の骨、そして全部の歯を観察します。
歯については、位置、萌出(生えること)方向、生えている部分(歯冠)の形態、骨の中の部分(歯根)の形態、歯根の周囲の骨などを見ます。
定期的にお口の中の歯石除去や歯周治療で来院された方には、以前の撮影から、おおよそ1年以上が経っていれば、このパノラマ撮影をいたします。
例えると、皆様が年一回のお身体の健診の際に、胸部エックス線写真を撮ることで、胸部におかしな陰影像がないか?
肺がんやその他の病気の徴候がないか?ということを医師がチェックするように、歯科のパノラマ撮影により、上あごと下あごの骨の中や、周囲に正常と異なる陰影像(腫瘍やガンなど、悪い病気ということもある!)が無いのかを点検しているのです。
そういう点からも、一年に一回はパノラマを撮っておくのが、病気の早期発見にとって重要であると言えるのです。
中には年一回の撮影でも「何でこんなに(パノラマ)エックス線写真を撮るんですか?」とおっしゃる方もいますが、実は、あなたの命と健康を守るために必要な検査なのです。
さて、この冬は豪雪となっています。
雪が降れば、私たちは、早朝から敷地内の雪かきをし、アプローチを整備してお待ちしております。
ぜひ、お口の健康を守るために定期的なクリーニングにお越しください。