未来健康通信2023年12月号

【今月の特集】 

「インフルエンザと口腔内の関係」

冬になると毎年流行するインフルエンザ。12月〜3月が流行シーズンと言われています。予防方法としては、うがいや手洗いを行う、重症化を予防するためにはワクチン接種を受けるなどがありますが、それだけでなく口腔ケアをしっかりと行い、お口の中を清潔に保つことも大切なのです。
むし歯や歯周病などの口腔内の病気にかかっている人や、口腔清掃状態が不十分な人は、インフルエンザにかかりやすく重篤になってしまうことが証明されています。

●インフルエンザの感染から発症までの仕組み
鼻や口から入り込んだウイルスは鼻腔や咽頭などの上気道の粘膜に付着します。そして、ウイルス表面にある特殊な突起(HA突起)をカギのように押し込んで、粘膜細胞内に侵入します。その突起は細胞内で増殖し、別の特殊な突起(NA突起)が隣の細胞内に侵入できるように手助けをします。これを繰り返されると、どんどんウイルスに侵された粘膜細胞が増えていき、インフルエンザが発症するのです。

●口腔内の細菌
口腔内には、何百種類もの細菌が数百億個も住みついています。細菌は唾液や滲出液を栄養にして増えます。歯周病や口腔清掃状態が不十分だと、菌の数は数千億にもなってしまいます。歯の表面に付着するプラーク(歯垢)は、不衛生な口腔内で歯周ポケットや舌にも付着します。プラークは「バイオフィルム」と言われる細菌のかたまりです。不衛生な口腔内では、このバイオフィルムが喉にも付着しています。これらの細菌が出す酵素は、上気道の粘膜を覆っている薄い膜を溶かし、それにより細胞表面のレセプター(受容体)が露出し、インフルエンザウイルスをキャッチできるようになります。
レセプターが露出することで、ウイルスのはたらきが助けられウイルスの感染が広がりやすくなります。また、細菌が作る毒素は、細胞に害を及ぼして、ウイルスの侵入を許しています。
口腔内で過剰に増えた細菌は、このようにしてインフルエンザウイルスの感染を助長させてしまうのです。

●口腔ケアがインフルエンザ予防に
口腔内を清潔に保つため、歯磨きや洗口液を使用し、毎日しっかりと口腔内の清掃を行うことが重要です。さらに、歯科医院での虫歯・歯周病の治療やクリーニングを受け、口腔内の健康を守ることもインフルエンザ予防に大切なことです。
実際、デイケアに通う要介護状態の高齢者に歯科衛生士が1週間に2回口腔内清掃をし、清掃の仕方も教えたところ、インフルエンザにかかる人が1/10になったという報告があるそうです。
皆さん、ぜひ日々の口腔ケアでインフルエンザを予防しましょう。


【Drブログ】 
Dr 藤田 響

「金木犀を香ってきました」

 秋になると思い出す話です。大学に進学した年の、仙台での暮らしにも慣れてきた10月頃のことです。外出していたとき、ふと、町中をふんわり甘く包む香りがあることに気が付きました。香りのもとをたどると、そこにはオレンジ色の可愛らしい花をつけた木がありました。こんなにいい香りがする木があるのか!と思い、大学の友人に尋ねると、「金木犀じゃない?」「秋といえば金木犀の匂いだと思うよ」と、みんな当然のように知っているようでした。
 僕が無関心なだけ?と思い、秋田に帰省した時に、秋田の友人に金木犀を知っているか尋ねたところ、「知らない」「聞いたことあるけど見たことない」と、金木犀の香りを知っている友人はほとんどいませんでした。気になって調べたところ、寒冷地では金木犀は育たないらしく、秋田・岩手の県南が金木犀が育つことのできる北限ということが分かりました。どうりで秋田で過ごしてきた18年間、金木犀の香りを知らなかったわけです。
 また、歯科検診の実習で宮城県のとある小学校を訪れたとき、校長先生と教授の間に「ほぉ、銀木犀ですか」という会話がありました。銀もあるの!?と思って目をやると白くて可愛い花をつけた木がありました。銀木犀は、金木犀と比べて香りはひかえめで、上品な印象がありました。こうして木犀属のとりこになった僕は、芳香剤や紅茶の販売店に行くたび、金木犀の香りがないか気にして探すようになりました。
 先日、セリオンリスタで温室栽培されている金木犀が開花したようです。早速、車で香りに向かうと、駐車場に停めてすぐに金木犀の香りが漂ってきました。セリオンリスタにはヒイラギモクセイという品種の木もあるようで、また新しい仲間に出会うことができました。大学時代を思い出す、金木犀のお話でした。


【そこが聞きたい!Q&A】 

今月の担当
Dr. やまだ まい

Q.「歯垢」と「歯石」は何が違うの?

A. 1日磨いていない歯の表面を爪の先などでこすってみると、白くてネバネバしたものがついてきます。これを歯垢(プラーク)といいます。1mgの歯垢の中には日本の人口に匹敵する数の細菌がおり、それらがすみつき増殖すると、酸や毒素などが生成され、むし歯や歯周病を引き起こします。歯垢は歯ブラシなどできれいに落とすことができます。
一方歯石は、歯垢が唾液や血液中のカルシウムと結びつき硬くなったものをいいます。歯石は硬いだけでなく、歯にしっかりくっついているので、歯ブラシでこすってもとれません。そのため歯科医院での専門的な器具による除去が必要です。歯石は表面がざらざらしているので、放置するとその上にさらに歯垢がつき歯周病が悪化します。歯石は歯根(歯ぐきの中)にできることもあり、そうなるとご自身での発見が難しいです。定期的に歯科医院でチェックを受けましょう。

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