未来健康通信2025年2月号
【今月の特集】
『見逃すな!口腔機能低下症』
最近、「よく咽せる」「ご飯が食べにくい」と感じる事はありませんか?
お口の老化は、知らないうちに始まっているかも…。予防するには、気付く事が肝心です!
今、問題となっている『口腔機能低下症』。噛む、飲み込む、話すといったお口の機能は、身体の筋肉と同じ様に、加齢と共に衰えていきます。例えば、のどにある喉頭蓋の弁の動きが悪いと、咽やせき払いをしやすくなります。舌の力が弱まったり唾液の分泌が減ると、食べ物がつかえやすくなります。こうした変化は『口腔機能低下症』と呼ばれ、全身の健康を損なう最初の段階と考えられます。お口の老化は早く気付けば予防しやすいですが、そもそも自分のお口の機能が衰え始めている事に気付かないことが多いのです。お口の機能が低下すると、どの様な事が起こるのでしょう。思い浮かぶのは、「上手く食べられない」事ではないでしょうか。
「食べる」という事は、歯だけでなく、唇や頬、舌、のど周りの筋肉が協力して行われます。歯があっても、舌やのどの動きが悪くなれば飲み込めなくなり、食べる事が難しくなります。ですが、それよりも怖いのが咽や誤嚥性肺炎です。お口の機能が低下するとこれらのリスクが高まります。誤嚥性肺炎は、唾液に含まれる細菌が誤って肺に入り増殖し、肺炎を引き起こす病気です。「咽せるのは苦しいけど何が怖いの?」と思うかもしれません。しかし、気管に入った異物を吐き出す咽という行為は、身体に負担をかけます。特にお年を召した方には思わぬダメージになりかねません。この様なお口の老化を予防するために、簡単にできるマッサージやエクササイズを紹介します!
◯全体を鍛える『パタカラ体操』
それぞれの音を5秒間に30回以上発音する(「パパパパ…」「タタタタ…」のように)。速く発音する事で唇をしっかり開け閉めしたり、舌を丸めたり、お口の筋肉が鍛えられます。
◯喉頭蓋の弁を鍛える『上向きうがい』
普段何気なくしているガラガラうがいもエクササイズに。舌の根本を水で洗える様に上を向き、10秒〜15秒、1日3回を目安に行う事で、のど周りが鍛えられるのに加え、雑菌もできて一石二鳥です!
◯唾液の分泌を促す『唾液腺マッサージ』
耳の下より少し前にある「耳下腺」や顎の下にある「舌下・顎下腺」を優しく10回程度指で押す様に刺激する事で唾液の分泌を促します。レモンや梅干しなど酸っぱい物をイメージして行うとより効果的です!
自分のお口老化サインにドキッとした方は、ぜひ予防に取り組んでみて下さい。そして、歯医者にも定期的に通い、お口の健康維持に努めましょう!
【Drブログ】
Dr 山田 真衣
『年末年始』
皆さん、年末年始はゆっくり過ごせましたでしょうか。いつも気づけばあっという間に終わってしまうので、私は事前に「年末年始にやりたいことリスト」を作成しそれを達成するよう過ごしました。そのうちの二つをお話します。まず「映像配信サービスを契約する」です。私の好きな俳優さんがサブスク限定の映画に出演しておりずっと観てみたかったのですが、支払う月額料と実際観られる時間を考えると元を取れない気がして今まで契約するのを躊躇っていました。今回初めて登録し、休みの期間に様々な作品を一気視聴しました。まだ他にも気になる作品があるので引き続きサブスクを楽しみたいと思います。二つ目は「マンガを読みに行く」です。5〜6年前までは時々TSUTA◯Aでマンガを借りて読んでいたのですが、いつの間にかレンタル事業が終わっており、今回人生初のマンガ喫茶へ行ってきました。暖房がしっかりしていて、寛げるプライベートスペースもあり、読みたいマンガも全て揃っていてとても良かったです。またマンガの続きを読みに行きたいと思います。作成した「やりたいことリスト」は全てやり終え、充実した年末年始を過ごすことができました。次の連休には何をしようか、考えるのが楽しみです。
【そこが聞きたい!Q&A】
今月の担当
Dr. いわなみ よういち
Q. よくかんで食べると肥満防止になる?
A. 脳の中の視床下部という場所からの命令で、人間は食べる、食べないという行為を調整しており、多くの研究から、ヒスタミンという物質が食欲を抑制することがわかっています。視床下部の満腹中枢から信号が届く前に、よく噛まずに多くのカロリーを摂取する早食いは肥満を高めます。逆によく咀嚼すると、満腹中枢が刺激され、脳内のヒスタミンは増えます。食事療法をした方で治療後も咀嚼を多く続けている人だけが、リバウンドしないという結果も。
よく噛むことは、早食いを防止し満腹感が得られやすく食べ過ぎを防ぐため、肥満防止につながると言えるでしょう。食べ物は、一口30回程度かむのが目安です。