未来健康通信2025年3月号
【今月の特集】
『口腔内の乾燥に注意!』
◆唾液の役割◆
人は唾液腺というところから1日に1~1.5Lほど唾液を分泌していると言われています。その唾液には様々な役割があります。
○抗菌作用
口の中の細菌の繁殖を抑える作用
○自浄作用
口の中の細菌や食べ物を流して綺麗にする作用
○浄化作用
唾液に含まれる消化酵素により消化を助ける作用
○歯の再石灰化作用
虫歯になりかけている歯を修復する作用
唾液にはこのような作用があり、口腔内が乾燥し唾液の量が減ると様々な問題が起こります。
◆口腔乾燥によるリスク◆
唾液が少なく口腔内が乾いていると虫歯になるリスクが高くなります。口の中が潤っておらず乾いた状態の歯には汚れも付きやすく、唾液の役割である自浄作用などが働かないため虫歯になりやすい環境になってしまいます。
また、乾燥により細菌が繁殖しやすくなってしまうため、歯周病になるリスクも高くなります。
他にも食事の際に咀嚼したものがまとまらず飲み込みにくくなったり、口臭の原因になったり味覚障害が起こることもあります。
◆口腔乾燥を防ぐために◆
口腔乾燥によるリスクからお口の健康を守るためにできることがあります。
《唾液腺マッサージ》
人は唾液腺から唾液を出しています。大きな3つの唾液腺を刺激して唾液の分泌を促しましょう。
・耳下腺→ 人差し指を耳たぶの下あたりに当てて後ろから前へぐるぐる回すように押す。
・顎下腺→ 親指をあごの骨の内側のやわらかい部分に当て、耳の下からあごの下まで骨に沿って5カ所くらいを順番に押す。
・舌下腺→ 両手の親指をそろえ、顎の真下からグッと押す。
《マウスリンスを使う》
マッサージにプラスして、口の中に塗るジェルタイプのものと、洗口液として使える液体タイプのものがあります。
ジェルタイプは乾燥の症状が著しい方にオススメです。ジェルを口腔内に含み舌で全体に行き渡らせます。
ジェルが苦手な方にはマウスリンスがオススメです。適量を口に含みぶくぶくしながら全体に行き渡らせて使用します。ジェルタイプのねっとりした感じがないのでさっぱりと使えます。口腔乾燥を防ぎ様々なリスクからお口の中の健康を守っていきましょう!
【Drブログ】
Dr. 藤田 響
『米津玄師のライブに行きました。』
1月、宮城で行われた米津玄師のライブに行きました。当日は全国的な寒波に見舞われ、宮城でも雪が降り積もるほどの天候でしたが、無事に開催されてひとまず安心しました。
これまで何度かライブに参加していますが、毎年、ライブの演出は豪華になり、米津さんは歌も(そしてMCも)上手になり、最高の時間を過ごすことができました。あっという間に過ぎた2時間でしたが、思い出に深く残るライブとなりました。
当時、未発表だった新しい曲が2つあり、ライブで先行して歌ってくれました。その2曲はそれぞれ、フィギュアスケートのアニメと、ガンダムの映画のタイアップで使用されています。僕はどちらの内容も知らなかったのですが、このタイアップを機に、アニメを視聴したり、映画を観に行ったりしました。
フィギュアスケートのアニメは、物語も面白いですし、スケートの演技のシーンは躍動感のあるアニメーションで感動しました。原作の漫画も読み始めるほどにすっかりハマってしまいました。ガンダムの映画も、ロボットアニメならではの迫力のあるシーンや神秘的な世界観に魅了されました。
こういったように、趣味をきっかけに別のコミュニティについての知見を深めていくのはとても楽しいです。機会を逃さず、いろんな文化を吸収したいなと思います。
【そこが聞きたい!Q&A】
今月の担当 Dr. やまだ まい
『子どもを虫歯にさせないためには?』
子どもは虫歯になりやすく、5〜7歳と13〜17歳がピークであり、25歳を過ぎると少し落ち着きます。歯みがきや食習慣に気をつけましょう。
まずは歯みがきです。前歯が生えてきたころから少しずつ練習を始めましょう。子どもの歯は大人の歯に比べて弱く、とくに生えてから2〜3年はむし歯になりやすいことがわかっています。保護者の方が仕上げみがきを行い、歯と歯の間が狭い場合には糸ようじも併用してください。
食事については、砂糖(ショ糖)の含まれている物がむし歯の原因になりやすいことは明らかですが、甘い物すべてを禁止する必要はありません。歯は食後時間が経つと脱灰(歯のカルシウムが溶け出すこと)しますが、唾液によって再石灰化が促され、修復されます。つまりお菓子のだらだら食いはせずしっかり時間を決め、食べた後は歯みがきをし、虫歯のリスクを下げましょう。また、かかりつけ歯科医で定期的にお口の中をチェックしましょう。