マウスピース矯正ができない8つの例と、後悔しないための代替治療法と医院選びとは?

マウスピース矯正ができない8つの例と、後悔しないための代替治療法と医院選びとは?

マウスピース矯正

「私の歯並び、マウスピース矯正で本当に治るのかな…」

「もし『できない』って言われたらどうしよう…」

マウスピース矯正を検討されている方の中には、このような不安をお持ちの方も少なくないでしょう。

マウスピース矯正には適用できない症例が存在しますが、自己判断で諦めるのは早いかもしれません。なぜなら、治療の可否は、歯科医師の技術や診断設備によっても変わるからです。まずは精密検査を受けることが何より重要です。


この記事でわかること
1.マウスピース矯正が適用できない具体的な8つの症例とその理由
2.「できない」と言われた場合の、ワイヤー矯正などの代替治療法
3.矯正治療で後悔しないための、信頼できる歯科医院の選び方


まずはセルフチェック!マウスピース矯正ができない可能性がある8つの例

マウスピース矯正

まず、一般的にマウスピース矯正の適用が難しいとされる代表的な例を8つご紹介します。ご自身の歯やお口の状態が当てはまらないか、チェックしてみてください。

ただし、これらはあくまで一般的な目安です。最終的な判断は精密検査に基づき行われるため、「当てはまるかも」と感じても、すぐに諦める必要はありません。

1.【歯並びの問題】 重度の叢生(歯がガタガタに重なっている状態)や捻転(歯が大きくねじれている状態)
2.【歯並びの問題】 抜歯が必要な重度の出っ歯(上顎前突)や口ゴボ
3.【骨格の問題】 上下の顎の骨のズレが大きい受け口(反対咬合)や開咬(奥歯で噛んでも前歯が閉じない状態)
4.【歯の状態】 重度の歯周病にかかっている
5.【歯の状態】 インプラントやブリッジが多数入っている
6.【歯の状態】 歯の根(歯根)が極端に短い、または特殊な形状をしている
7.【埋まっている歯】 歯茎に埋まった歯(埋伏歯)を引っ張り出す必要がある
8.【患者自身】 1日20時間以上の装着といった自己管理が難しい


なぜ適用できない?症例別に深掘り解説

マウスピース矯正

「どうしてこれらのケースは難しいの?」と疑問に思われたかもしれません。それぞれの理由を、一つずつ見ていきましょう。

歯を大きく動かす、歯の根を動かすのが苦手
マウスピース矯正は、少しずつ形の違うマウスピースを交換していくことで、歯の頭の部分(歯冠)を少しずつ押して動かす仕組みです。そのため、歯を平行に大きく移動させたり、歯の根(歯根)の向きを大きく変えたりするような動きは、ワイヤー矯正に比べて限界があります。
重度の叢生や出っ歯の治療で必要となる、このようなダイナミックな歯の移動は、マウスピースの力だけではコントロールが難しいのです。

骨格そのものに原因がある場合は外科手術が必要なことも
歯並びの問題が、歯の傾きだけでなく、上下の顎の骨の大きさや位置のズレといった骨格的な要因に起因するケースがあります。例えば、極端な受け口や出っ歯、顔の歪みを伴うような症例です。
このような場合、矯正治療だけで改善するのは難しく、顎の骨の位置を修正する外科手術を併用する必要が出てくることがあります。

歯周病は矯正の前に治療が必須
矯正治療は、歯の周りの骨の代謝(リモデリング)を利用して歯を動かします。しかし、重度の歯周病にかかっていると、歯を支える骨が弱っているため、矯正力をかけることで歯が抜け落ちてしまうリスクがあります。
そのため、矯正治療を始める前には、必ず歯周病の治療を完了させ、歯茎が健康な状態になっていることが大前提となります。

インプラントは動かせないため治療計画に制約が出る
インプラントは、顎の骨に直接固定された人工の歯根です。そのため、天然の歯のように動かすことはできません。
インプラントが既に入っていると、それが固定源となり、周りの歯の動かし方に大きな制約が生まれます。治療計画が非常に複雑になるため、マウスピース矯正では対応が難しくなるケースがあります。


「できない」と断られた方へ。諦める前に知ってほしいこと

マウスピース矯正

すでに他のクリニックで「あなたの歯並びはマウスピース矯正できません」と診断され、がっかりされている方もいらっしゃるかもしれません。
ここでは、そういった方にこそ知っていただきたい大切なことをお伝えします。

事実:歯科医師の経験や治療方針によって診断は変わる
矯正治療の診断は、実は歯科医師の知識、経験、そして治療方針によって変わることがあります。特にインビザラインなどのマウスピース矯正は、比較的新しい技術であり、医師によって習熟度に差があるのが実情です。
あるクリニックでは「難しい」と判断された症例でも、経験豊富な医師が担当すれば「治療可能」となることは決して珍しくありません。

CT・セファロ分析など「精密検査」の質が治療の可能性を広げる
正確な診断のためには、精密な検査が不可欠です。従来のレントゲンだけでなく、歯や骨の状態を三次元的に把握できる歯科用CTや、頭部全体の骨格を分析するセファログラム(頭部X線規格写真)といった設備が整っているかどうかも、治療の可能性を広げる上で非常に重要です。
これらの詳細なデータに基づいて治療計画を立てることで、より安全で確実な治療が可能になります。

まずはセカンドオピニオンで専門医の意見を聞いてみませんか?
もし一度「できない」と言われても、それが最終結論とは限りません。特に矯正治療は専門性が高い分野ですので、セカンドオピニオン(第二の意見)を聞くことは非常に有効です。
複数の専門医に相談することで、ご自身が納得できる治療法に出会える可能性が高まります。


もし適用外だったら?マウスピース矯正以外の選択肢

マウスピース矯正

「やっぱり自分のケースはマウスピース矯正だけでは難しそう…」と感じた方へ。ご安心ください。あなたに合った治療法は他にもあります。ここでは代表的な選択肢をご紹介します。

あらゆる症例に対応できる「ワイヤー矯正(表側・裏側)」
ワイヤー矯正は、歯の一つひとつにブラケットという装置を取り付け、ワイヤーを通して力をかける伝統的で最も確実な治療法です。
歯を動かす力のコントロールが非常に精密で、重度の叢生や抜歯が必要な症例など、ほぼ全ての歯並びに対応できるのが最大の強みです。近年では、歯の裏側に装置をつける「裏側矯正」や、白いブラケットなど、目立ちにくい選択肢も増えています。

両方の良いとこ取り「ハイブリッド矯正」
これは治療の段階に応じてワイヤー矯正とマウスピース矯正を組み合わせる方法です。
例えば、「歯を大きく動かす必要がある最初の数ヶ月だけワイヤー矯正を使い、その後はマウスピース矯正で快適に過ごす」といった柔軟な対応が可能です。「対応範囲」と「快適性・審美性」の両方を追求したい方におすすめの治療法です。

外科手術を併用する「サージェリーファースト」
骨格的なズレが大きいケースでは、外科手術で顎の骨の位置を整え、その後に矯正治療で歯並びを仕上げる方法があります。これは健康保険が適用されるケースもあります。
専門の医療機関との連携が必要になりますが、長年のコンプレックスだったお顔のバランスも改善できる可能性があります。


後悔しないために。信頼できる矯正歯科医院を選ぶ3つのポイント

マウスピース矯正

納得のいく治療を受けるためには、技術はもちろん、心から信頼できる歯科医院を見つけることが何よりも大切です。医院選びで特に重要だと思う3つのポイントをお伝えします。

ポイント1:矯正歯科の専門知識・経験が豊富な医師が在籍しているか
まず確認したいのが、担当する医師が矯正治療を専門的に学んできたか、そして十分な臨床経験を持っているかです。「日本矯正歯科学会 認定医」などの資格は、一つの客観的な指標になります。
公式サイトの医師紹介ページなどを確認し、経歴や実績をチェックしてみましょう。

ポイント2:精密検査のための設備(CTなど)が整っているか
質の高い治療計画は、質の高い検査データから生まれます。歯科用CTやセファログラムといった設備が導入されているかは、正確な診断へのこだわりを示すバロメーターと言えます。
カウンセリングの際に、どのような検査を行うのかを具体的に質問してみるのも良いでしょう。

ポイント3:メリットだけでなく、リスクやデメリットも正直に説明してくれるか
良いことばかりを強調するのではなく、治療に伴う可能性のあるリスク、デメリット、複数の治療選択肢を公平に提示し、質問に真摯に答えてくれる医院を選びましょう。


マウスピース矯正の「できない」に関するよくある質問(FAQ)

マウスピース矯正

最後に、よくある質問についてお答えします。

Q. 八重歯や出っ歯はマウスピース矯正で治せますか?
A. 軽度から中等度の八重歯や出っ歯であれば、マウスピース矯正で改善できる可能性は十分にあります。ただし、抜歯が必要になるような重度のケースや、骨格的な要因が強いケースでは、ワイヤー矯正や他の治療法を検討する必要があります。まずは精密検査を受けて、ご自身の状態を正確に把握することが大切です。

Q. 虫歯や銀歯があってもマウスピース矯正はできますか?
A. はい、可能です。ただし、矯正治療を始める前に、虫歯はすべて治療しておく必要があります。また、矯正中に銀歯などの詰め物・被せ物が外れてしまうリスクもあるため、事前に担当医としっかり相談しましょう。

Q. 矯正を始めてから「やっぱりできない」となることはありますか?
A. 治療開始前の精密検査と診断が適切に行われていれば、途中で「治療不可能」となることは基本的にありません。しかし、患者様の自己管理(マウスピースの装着時間など)が不十分な場合、計画通りに歯が動かず、治療期間が延びたり、当初のゴールを達成できなくなったりするリスクはあります。


まとめ:あなたの歯並びは、本当にマウスピース矯正できない?まず専門医に相談を

今回は、マウスピース矯正が適用できない可能性がある症例から、その理由、そして他の治療法の選択肢までを詳しく解説しました。
インターネットの情報だけで「自分の歯並びは無理かもしれない」と結論を出してしまう前に、この記事でお伝えした大切なポイントを、もう一度チェックリストで振り返ってみましょう。

【マウスピース矯正を始める前の最終チェックリスト】
 ⬜︎ 自分の歯並びが適用外の例に当てはまるか確認した
 ⬜︎ なぜ適用が難しいのか理由を理解した
 ⬜︎ もし適用外でも、他の治療法があることを知った
 ⬜︎ 治療の可否は、自己判断ではなく精密検査で決まることを理解した
 ⬜︎ 信頼できる医院選びのポイントを把握した

あなたの「できないかも」という不安を、確かな「どうすれば良いか」という道筋に変えるために、最も重要で確実な一歩は、専門家による精密な診断を受けることです。

矯正治療は、あなたのこれからの笑顔と自信に関わる大切な選択です。ぜひ勇気を出して、信頼できる矯正歯科医に相談し、あなたにとって最善の治療法を見つけてください。

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