未来健康通信2025年11月号
【今月の特集】
『「食べる姿勢」からはじめるお口育て』
お子さんの健やかな成長には、「お口の機能」を育てることが大切です。食べることや話すことなど、お口の機能を育てるカギは、まずきちんと食べることです。そのためには、食事に適した「姿勢」が必要です。
近年、子どものむし歯や歯肉炎(歯ぐきの腫れや出血)は減少傾向にありますが、それに代わって問題となっているのが「お口の機能の発達の遅れ」です。お口の機能は本来、「食べる」や「話す」を通じて少しずつ育っていくものです。しかし、子どもを取り巻く環境の変化に伴い、その発達が遅れている子が増えてきています。歯科では「ポカーンといつも口が開いている」「食べるのが遅い」といった相談を受ける親御さんもいらっしゃいます。
お口の機能の発達が遅れていることは専門的に「口腔機能発達不全症」と呼ばれ、食べる・話す・呼吸するといったお口本来の機能がスムーズに働いていない状態を指します。「発達不全」と聞くとショックを受けるかもしれませんが、安心してください。あくまで「発達が少しゆっくり」であり、日々の生活の中で十分に取り戻すことができます。お口を育てるためには、毎日の「食べること」を見直すことが重要です。特別な訓練をしなくても、日々の食事が最も効果的なトレーニングになるのです。
お子さんは、食べる・噛む・飲み込むを繰り返すことで、舌や唇、頬の筋肉、喉の使い方を自然に身につけていきます。しかし、それには「正しい食べ方」、つまり「正しい姿勢」で食べることが欠かせません。野球のピッチャーに理想的な投球フォームがあるように、「食べること」にも理想の姿勢があります。正しい姿勢で食べることで、お口の機能がしっかり育まれます。
◾️年齢別・理想的な「食べる姿勢」
○1〜2歳
この時期は「姿勢の安定」が最優先です。
• タオルやクッションで体を支える(グラグラしないように注意)
• 肘が自然に乗る高さに机の高さをあわせる
• 椅子の背もたれと背中、お腹と机の間は”こぶし1つ分”開ける
• 足裏がしっかり床(または踏み台)につくように調整
○3歳以上
合言葉は「ピン・ピタ・グー」
• ピン: 背筋を伸ばす(猫背は呼吸や飲み込みを妨げます)。
• ピタ: 足の表を床にしっかりつける。
• グー: 椅子と背中、机とお腹の間に”こぶし1つ分”の隙間を空ける
毎日の食事とちょっとした習慣が、お子さんのお口の機能を育てることにつながります。
お子さまのお口だけでなく体の健やかな成長のためにも、正しい「食べる姿勢」ができるようサポートしましょう。

【Drブログ】
Dr. 山田 真衣
『最近の楽しみ』
皆さん、休日はどうお過ごしですか?その前夜はどうでしょうか?明日の活動に向けて早寝する人、存分に夜更かしする人…。
私は最近よくレイトショーを観に行きます。当院は日曜休診で、土曜は平日より少し早くに診療を終えます。そこでまだ活動する体力があれば、レイトショーのチケットを取るのです。観る映画は様々。話題の鬼を倒すアニメ映画や、恐竜が出てくる洋画などジャンルを問わず色々観ます。夕飯を軽めにして、必ず映画館のポップコーンを買ってから席につきます。
レイトショーの1番良いところは、周りのお客さんが少ない事。未成年は鑑賞できなかったり帰りの時間帯が遅いこともあり館内はとても空いています。「隣の人が話していて騒がしいな…」「途中退室が気になるな…」と思うことが無く快適に観ることができます。通常の鑑賞料金より安いのも魅力ですね。映画を観終えたら、車通りの少なくなった深夜の道を、映画の考察や感想を共有しながら帰ります。
深夜の外出は大人の特権。子どもが生まれたらそう簡単にできなくなりますから、今のうちに存分にレイトショーを楽しみたいと思います。

【そこが聞きたい!Q&A】

今月の担当
Dr. いわなみ よういち
Q. かかりつけの歯医者さんをもったほうがいい?
A. いくつかの研究論文でかかりつけ歯科医をもつ人ともたない人では、生存率に違いが出るという内容が発表されています。歯科医師と患者さん、定期的に健診などを通じてコミュニケーションがとれていれば、歯科医師は責任感と使命感をもってしっかり診てくれると思います。かかりつけ歯科医をもつことの利点は、過剰治療になりにくいこと、そして、今後どの歯がどのように悪くなりそうかの予測ができるため、自分の歯を一生もたせるための予防・治療計画を立ててもらえるとういうことがあると思います。ぜひ、定期的に通いやすい歯科医院をもってください。








